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2022年6月27日

今こそ、毅然とした人権外交を

私はこれまで、数々の国際問題に携わってきました。大学・大学院では現代ウイグルの問題を研究し、国連職員としてはロヒンギャ難民問題やウクライナ緊急危機対応など、人権問題と切り離すことができない数々の問題に携わってきました。

問題を抱える国の政府当局から嫌がらせや盗聴を受けたこともありますし、私個人のメールやSNSが政府関係組織の攻撃にあった経験も少なくありません。

私が国連に勤務していた時のことです。ある国の人権活動家と非公表で対談した翌日に、たまたまその国の外務大臣と国連事務総長との会合に同席することになりました。

すると会談の前に、その外務大臣から直接、「日本では女性の地位が低いと聞いているが、国連に来て堂々と人権を振りかざせるとは、大したものだな」と、皮肉を言われたことがありました。

それでも私は、あらゆる国際問題に対応する際に、人権の観点を無視したことはありません。

なぜならば、ボスニア、南スーダン、ルワンダ、ミャンマー、ウイグルなどを見ると、最初に誹謗中傷やヘイトスピーチなどの小さく見える侵害を抑止できなかったことが、民族浄化やジェノサイドなどの「人類への犯罪」を止められない状況につながってしまったことが明らかだからです。

あらゆる国や場所での人権侵害に国際社会が一貫した対応をしなければ、その行為が許される前例になってしまい、長期的には世界中の人権状況に影響を及ぼすこととなります。

人権を守るということは、自国民を含めすべての人々の尊厳を守るということであり、言葉を変えれば、力による現状変更や、自由・民主主義など日本が持つ普遍的価値観への脅威に、最前線で立ち向かうということでもあります。

グローバル化が進んだ今、日本に輸入され私たちが普段消費している物の中にも、その生産や輸送の中で、強制労働や人権侵害が行われているものがあります。また、日本から輸出される製品が他国の人権侵害や弾圧に使われてしまっている可能性もあります。

もはや他国の人権問題は日本と関係ないとは言えません。

人権に関しては、「世界人権宣言」など、しっかりとした国際的な定義や枠組みが既にあります。
日本には、これを批准する国として、また、人の尊厳を尊重するという普遍的価値観を持つ国として、人権分野における更なるリーダーシップを発揮する責務があります。

これを踏まえ、以下の政策を提案します。
 
 

人権の価値観を共有する国々とのパートナーシップを強化

  • 国連総会第3委員会、安全保障理事会、人権理事会など、既にある国際的な枠組みにおいて、戦略的な人権外交を進める
  • 価値観を共有する国々と新たな人権メカニズムを構築し、国連以外の枠組みからも人権外交や調査などを積極的に進める
  • 国際裁判所や国連などの国際的な枠組みを駆使できてない人権案件につき、価値観を共有する国々と専門調査を実施し、連携して制裁などを含む人権侵害を抑止するための政策を実行する仕組みを構築する
戦略的な人権外交

  • 日本の立場を活かし、対話を中心とした人権外交を進める
  • 国際的な人権活動組織・機関への財政的支援を強化する
  • 価値観を共有する国々と共に人権に特化した国際会議を定期的に開催する
人権デューディリジェンス
(企業などに要求される、実施すべき注意義務および努力のこと)

  • サプライチェーンにおける人権デューディリジェンスの枠組みを構築し、強制労働や人権侵害により作られた物が日本の市場に入らないようにする
  • 人権侵害が行われていると明らかになった国や地域に対して、侵害に利用される可能性のある技術や商品の輸出を制限する
人権外交ツールの構築

  • 集団殺害を国際法上の犯罪という考えに立ち、防止と処罰を定めるための「ジェノサイド条約」への批准を検討する(現在約150か国が締約)。
  • 人権侵害をした個人や組織に対して、資産凍結などの制裁を科すことを目的とした「日本版マグニツキー法」の制定を検討する(アメリカ、イギリス、EUなどが制定している)。

アジアで最も経済力のある民主主義国家として、また、国際社会において信頼されている国として、人権外交にしっかりと取り組み、日本の国際的なリーダーシップを高めることが重要です。


2022年6月24日

2022年5月の消費者物価指数が公表されました

本日、5月の消費者物価指数が公表されました。
生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数では、4月に続いて2か月連続の前年同月比+0.8%の上昇でした。
生鮮食品のみを除く総合指数でも、先月に引き続き前年同月比+2.1%と、わが国の物価が上昇基調にあることが、データにも鮮明に表れています。

 いま日本で起きている物価の上昇は、ロシアによるウクライナ侵攻が引き金となり、世界各国でエネルギー価格や食料品価格などが上昇したことや、円安の進行を受けて輸入価格が上昇したことなどを反映しています。

 近年あまり起こってこなかった日本での物価上昇に、驚きや戸惑いを隠せない方も多いのではないでしょうか。

 生活実感からしても、日本の物価は確実に上昇しているといえますが、実は先月まで私が暮らしていたアメリカでは、今やインフレ率は+8.6%に達しています。
そこに足もとの円安の効果も合わさって、ラーメン一杯を食べるだけでも3,000円(!)くらいしてしまいます。

 日本の物価は安いのでしょうか、高いのでしょうか。今後このブログでは、複数回に分けて、私が考える日本経済の現状やポテンシャル、経済政策・成長戦略について投稿していきたいと思います。


2022年6月22日

未来への一票を

本日、えりアルフィヤは、参議院議員選挙・全国比例代表に立候補いたしました。

今回の自民党公認候補の中では最年少です。

また、女性、元日銀・国連職員、海外のルーツを持つなど、候補者の中でも希少な属性を持っています。

私は、グローバル化が進み、またウクライナ侵略をはじめとして国際秩序が乱れるなか、国際社会で「リーダーシップを取れる日本」を目指します。力強い安全保障、積極的な人権外交、先進的な気候変動への対応に取り組むと同時に、国内では若者・女性の政治参加や働き方改革を促進し、多様性がより一層尊重される国に向けて、その先頭を走ります。

「リーダーシップを取れる日本」を目標に政治活動を始めてから3週間。海外メディアに取り上げられるなど(A F P社の記事はこちら)、海外から、えりアルフィヤの政治活動と、日本のこれからの政治が注目されています。外国のSNSユーザーも、政治活動を拡散してくださっています。

その理由はいくつかあります。

自民党から海外のルーツを持つ候補者が立候補することが、海外からは意外と受け止められています。そしてその候補者は、世界的にみてもまだ政治の世界ではマイノリティである33才の働く女性。さらに、民主的な国政選挙で、政権政党からウイグルのルーツを持つ候補者が公認されたのは世界初だと思われます。

えりアルフィヤの自民党公認・参議院選挙への立候補は、自民党の幅の広さを示すとともに、自民党が今後、国際感覚を持った政治家を育て、女性・若者の政治参加を促進し、多様性が尊重される日本を築こうとしていることを象徴しています。

これは、日本のリーダーシップにつながることであり、えりアルフィヤへの一票は、世界に、日本は前に進むというメッセージを送る、未来の日本への一票となります。

どうかえりアルフィヤを、世界で輝く日本のために、使っていただきたい。そのためにも、皆様のお力をお貸しください。

【えりアルフィヤへの投票方法】

参議院議員選挙では、2枚の投票用紙があります。

1枚目の黄色い投票用紙にはお住まいの選挙区の候補者、2枚目の白い投票用紙には比例代表(全国区)の候補者、もしくは政党名をお書きいただきます。

えりアルフィヤに投票するためには、
2枚目の白い投票用紙に、えりアルフィヤ
とお書きください。

2枚目には、政党名も書けますが、
自民党と書いても、えりアルフィヤの票にはなりません。

リーダーシップをとれる日本に向けて、ぜひ、自民党公認最年少候補・元国連事務次長補付特別補佐官のえりアルフィヤに皆様の貴重な一票を賜りますよう、お願い申し上げます。


2022年6月21日

安全保障と価値観を共有する国とのパートナーシップ

2月24日にロシアによるウクライナ侵略が始まった時、国連の中でも衝撃が走りました。私は、安全保安担当の事務次長補付特別補佐官として、現地にいる国連職員の安全の確保や事務総長への随時状況報告をサポートする立場にありましたので、すぐに緊急対応にあたりました。

ウクライナの地図を広げながら、攻撃や攻勢があるところを追い、安全保安担当事務次長補・事務次長に侵略の状況を分析・報告すると同時に、ウクライナ各地にいる国連職員とその家族の安全を確保するための調整・連携業務を担いました。数分おきに入ってくる現地の情報とその状況を地図で表す作業を通じて、侵略の状況をその場にいるかのように感じました。侵略開始直後に、上司に対して自分のウクライナ入りを志願しましたが、ニューヨークからの24時間体制の対応も必要という理由から、現地入りは叶いませんでした。

この経験から、私の中で国連と国際社会のあり方に対する疑問が生じました。

国連は、第2次世界大戦後、2度と同じような戦争を起こさないという決意のもと生まれた組織です。このため国連は、常に対話と外交を通じて、世界の平和を維持することを目指してきましたが、今回はロシアによる侵略を抑止できませんでした。この侵略により国連の存在意義や体制が再び注目されるようになりましたが、ウクライナのほかにも、安全保障理事会での常任理事国の拒否権行使などにより国連が関与・抑止できなかった安全保障・人権問題はたくさんあります。

これまで国際社会が各国の安全保障と人権に対する懸念の解決を後回しにしてきたために、今回のロシアによるウクライナ侵略も抑止することができなかったと私は感じています。国際社会が、ルールに基づく国際秩序や、自由・民主主義・法の支配への脅威に、一丸となって対応しなければ、今後もウクライナの侵略の様な事例が起こる可能性は大いにあります。

地政学的に見ると、日本にとってもウクライナ侵略は対岸の火事ではありません。今回の国際人道法への違反・戦争犯罪に対して国際社会と足並みを揃え、毅然と対応することに加え、日本を取り巻く脅威を現実的に直視し、しっかりと自国を守る体制を強めることが必要です。

これを踏まえ、私えりアルフィヤは、以下の政策を提案します:

日米同盟を更に強化する

憲法に自衛隊を明記する

防衛費を、GDP比2%を目指して増強する

価値観を共有する国とのパートナーシップを強化する

日本の普遍的価値観を積極的に対外発信する

  • 日米豪印クワッド、2+2、両国間協議、多国間協議などの継続的な推進
  • 国連安保理非常任理事国としてのリーダーシップの発揮
  • ファイブアイズなどとのインテリジェンスの共有と協力推進
  • 台湾との関係強化

平和を維持するためには、継続的な努力と投資が必要です。平時には対話と備えが必要であり、有事には自国の平和と安全を守る力が必要です。わが国の平和を維持するためにも、今こそ憲法に自衛隊を明記し、日米同盟を更に強め、防衛費を増加する必要があります。


2022年6月17日

全ての日本人を守る仕組みを

私が提言している政策の一つに、「在外邦人の権利を守る仕組みづくり」があります。

なぜ「在外邦人」なのかというと、日本を守るということは、単に日本の領土・領空・領海を守るということだけではなく、世界中に暮らす「全ての日本人の命を守る」、ということだと考えるからです。
例え海外に生活していようとも、日本人の命を最初に守るのは日本政府でなくてはなりません。

国際秩序が乱れる中、まず日本政府が率先して日本人の命を守ろうと動かなければ、国際社会においても日本人の命は尊重されなくなっていく恐れがあります。

私は、国連で勤務したころ、世界中で働く国連職員の保護を担う部署にいたことがありました。危険な地域で働くことの多い国連職員だからこそ、しっかりと身の安全を確保するための専門部隊が必要なのだと感じました。

しかし、海外で危険な目に合うのはなにも国連職員だけではありません。例えばロシアによるウクライナ侵攻を受けて、危険な状態に陥った日本人は、誰が助けるのでしょうか?

私は、日本政府が外国で生活する日本人の命を守ることは、当然のことだと考えています。
これを踏まえ、私、えりアルフィヤは、以下の政策を提言します。
 
 

海外に暮らす134万人の日本人の権利を守る

  • 在外大使館・領事館を中心に、邦人保護の基盤を強化する
  • 新型コロナウイルスを念頭に置いた水際対策について、今よりも簡単に邦人が帰国・出国できるようにする
  • 在外邦人の投票をデジタル化し、簡単に投票できるようにする

有事には優先的に日本国民の帰国・避難を進める

  • 直近ではアフガニスタン、ウクライナなど、これまでの緊急事例を基により柔軟かつ迅速な邦人救出体制を構築する
  • 日本政府が日本国民を極力自力で帰国させられるように、機材やロジスティックスなどを見直し、準備を徹底する
  • パートナー国と、国民保護に関する協力関係を強化する

国政で在外邦人を代表する

  • 国外も選挙区に準ずる一つの地域ととらえ、有権者の参政意識を向上させる

2022年6月12日

在外選挙人登録について

日本国外にいる日本人、在外邦人は134万人います(令和3年10月1日現在)。この10年間で15万人以上増加しています。選挙権を持つ18歳以上は、100万人強と推定されます(直近の年齢別在外邦人は公表されていません)。

在外邦人が日本の選挙で投票するには、事前に在外選挙人名簿への登録が必要になりますが、この登録があまり進んでいません。

昨年10月に行われた衆議院選挙では、在外選挙人登録をしていた人、つまり投票権を持っていた人は96,664人。登録率は10%弱。さらに、その中から投票に行った人は、比例代表選挙で19,531人。投票権を持っている人の中での投票率は20.21%、在外邦人の有権者全体での投票率は、わずか2%程度でした。

登録率も投票率も低い要因として、在外邦人の選挙への関心の低さが指摘されていますが、当事者であった私の実感としては、手続きの煩雑さと時間がかかることの方が大きいと考えます。

在外選挙人名簿登録申請はこれまで以下のような流れでした。
① (出国時申請)国内選挙管理委員会に行って登録申請する(出国後に在外公館 に「在留届」を提出<インターネットでも届出可>)、(在外公館申請)在外公館に行って登録申請をする
② 届出を受けた在外公館は外務省にデータを送付
③ 外務省は、日本国内の最終住所地の市区町村の選挙管理委員会に申請書類を送付。
④ 書類の届いた選挙管理委員会は、在外選挙人証を発行し外務省に送付
⑤ 外務省は在外選挙人証を在外公館に送付
⑥ 在外公館は申請者に交付

外務省のHPでは、この一連の流れに「2か月程度」要すると記載されています。今回の参議院選挙における在外選挙人登録の最終は、投票日の6日前の7月4日ですので、いま在外選挙人登録をしていない人は、既に投票できないことになります。

出国してすぐに手続きをすれば良いという意見もありますが、環境が大きく変わり様々な手続きが必要な中で、在外選挙人登録のことを頭の中に入れている方は限られているのが現実です。上記の手続きを以下に迅速化するかが大きな課題だと考えます。

この問題意識は、外務省、総務省も同様に持っており、迅速化や利便性向上に向けた改正が最近行われました。

在外公館申請の際、在外公館に行くことが必須でしたが、令和4年4月1日から、在外公館に行くことなく、オンラインでのビデオ通話を通じ本人確認ができるようになりました。また、申請書類を事前に郵送や電子メールで送付することも可能になっています。

さらに、上記①~⑥の大部分が郵送によるものだったところを、電子メールなどでも可能にできるよう準備していると聞いています。

まだ明確にはなっていませんが、これらが実現することによって、現在、在外選挙人登録をしてない人も、まだ参議院選挙への投票ができる可能性が出てきました。

海外に居住、勤務をしていても、母国・日本での政治参加の機会をつくることは政府として当然のことです。

在外邦人の権利を守ることは、当事者であった私だからこそできることの一つです。引き続き改善に向けた活動を行っていきます。

※2022/06/14 追記

詳細は近日公開された外務省ホームページをご覧ください。

在外選挙人名簿登録の迅速化について
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/ov/page24_001819.html


2022年6月10日

今回の活動について

ニューヨークから帰国しすぐに挑んだ5月30日の自民党公認決定の記者会見から、早10日が経ちました。

日本人として、日本の本来の力とその多様性がなかなか政治に反映されない状況についての危機感が増す中、今回、挑戦の機会をいただくかたちとなりました。
日銀、そして国連と、組織の看板の後ろで働いてきた私にとって、政治は未知の世界で、戸惑いしかありません。

でも、これまで、
日銀では国際金融、東日本大震災後の東北での経済調査、地方銀行の実地考査、国連では国連改革、国際外交、人権侵害、紛争時の安全保安など、さまざまな課題にたずさわる機会があり、有事においても、平時においても、まずできることから誰かが何かを始めなければ、何も前に進まないということを肌で感じてきました。

そして、世界のあらゆるところで民主主義が脅かされるなか、日本にある平和な民主主義の尊さも実感してきました。

日本銀行員として培ってきた自国への理解。
国連職員として学んだ平和への責任。
働く女性として感じてきた先代への感謝と次世代への思い。

この機会をいただいたからには、その全てを力に、私にできることから日本の政治と民主主義に貢献していきたいと思います。

私自身の活動を通して、できる限り多くの方々に、

① 政治をより身近に感じていただくこと
② 政治の世界での多様性・視点を拡げること
③ 参加型政治・民主主義の可能性を実質的に感じていただくこと

の実現を目標とします。

この一環として、この2日間、株式会社ミナケアの社長の山本雄士さんや、為末大さんと、ツイッタースペースでの対談を行いました。

各分野の第一人者との意見交換は、大変学びが多く、とても刺激を受けます。これからもいろいろなかたちで発信していきます。

「日本人で、よかった。」「この国に生まれて、この国で暮らせて、よかった。」
ひとりひとりがそう思えるような政治を行いたい、そして、我が国の尊厳と民主主義を大切にし、世界をリードする日本をつくりたい、そう思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。


2022年6月9日

名前を得るということ

先日のブログエントリー「名前を失うということ」に対して、皆様から予想以上の反響をいただきました。お読みいただいた皆様、励ましのコメントをくださった皆様、本当にありがとうございました。
今日は、前回の続きとして私の名字について、お話させていただければと思います。

ウイグルでは、子供は父親の下の名前を自分の名字とします。

例えば、前回のブログの登場人物でみると、

•有名なウイグル系女優のディリラバ・ディルムラットさんは、ご自身のお名前がディリラバ、お父様のお名前がディルムラット

•北京冬季オリンピックの開会式で最後に聖火を灯し話題になったウイグル系選手ディルニガル・イルハムジャンさんは、ご自身のお名前がディルニガル、お父様のお名前がイルハムジャンです。

私の家族も同じく、日本に帰化する前は、

•父親の名字は父方の祖父の名前
•母親の名字は母方の祖父の名前
•私の名字は父親の名前

であり、家族全員名字が違いました。

このため、日本に帰化し、日本の戸籍謄本を作成する際に、初めて家族全員同じ名字にすることになりました。

先日お話させていただいた、ウイグル語から漢字表記になり、そこからまたカタカナ化された名前に違和感を持つのとは反対に、初めて日本人として「家族共通の名前(名字)」を得ることは、とても楽しみなことでした。

でもいざ選ぶとなると、かなり大変。日本に既にある名字を選ぶのか、新しい名字を作るのか。三人でいろいろな選択肢を考えたことを覚えています。

議論の末、たまたま父方の曽祖父と、母方の曾祖父の名前が同じエリ(表記はAliですが、ウイグル語ではエリと発音します)だったため、エリを名字とすることになりました。

そして次はカタカナにするか、漢字にするかの選択。家族でたくさん話し合った結果、日本人であることを選んだ家庭として、名字は漢字で表記しよう。但し、自分たちのルーツを表す下の名前は変えずにカタカナで表そう、ということになりました。

名字に両親が選んだ漢字は、「英利」。

中央アジア・シルクロードのルーツを持つ一家なので、騎馬民族を象徴する「英雄」の「英」と、シルクロード時代からの国際的なビジネス文化を象徴する「利」で「英利」としたそうです。

一方、私の下の名前はというと、日本で生まれ、自分を日本人だと思って育ってきた私には、日本語の名前があってもいいのではないかと両親が提案してくれましたが、その時の私の答えは「名前が日本人風でなくても私は日本人。」だったそうなので、そのままカタカナになりました。

英利家は、中国においては選択の権利もなく名前を漢化することを強いられましたが、日本人になるということを選ぶことにより、新しい名前を得るという幸せに恵まれました。

人の尊厳とは、自分が認識している自分のかたち・現実・経験を主張し、周りに受け入れてもらうことです。自分の名前をほぼ強制的に失うことと、好んで自分の名前を選ぶこととでは、天と地の差があります。

日本人になることを選んだ英利家の一員であることほど、私自身が日本で得た人権・アイデンティティー・尊厳を象徴するものはありません。

この一週間、私を取り巻く環境は、目まぐるしく変わりました。全てが新しく、追いついていくことに今でも必死です。最近、そんな私にとって、とても残念だと感じたことがありました。

それは、インターネット上で、日本国籍しか持たず、日銀で日本のために働き、そして日本人として外務省から国連に派遣された私について、「えりアルフィヤは日本人ではない」、「二重国籍かもしれない」など、根拠のないコメントがみられたことです。

このほかにも、日本人として20年以上生きてきた私の家族への誹謗中傷や差別的な投稿も、SNS上で沢山見られました。

言論の自由に恵まれている日本のような国において、匿名かつ無責任なかたちで、人としての尊厳を攻撃するという行為は許されることではなく、日本で与えられている自由への冒涜です。

えりアルフィヤは、日本人が持つ自由、人権、尊厳を守り抜き、全ての日本人が尊重され、安心した生活を送り、輝くことのできる社会を築くために、これからも尽力して参ります。

その活動の一環として、特にインターネットでの差別や誹謗中傷、プライバシー侵害などにもしっかりと取り組んでいきたいと考えています。

これからもえりアルフィヤの挑戦を、応援してください。


2022年6月6日

名前を失うということ

こんにちは。
えり(英利)アルフィヤです。
えりが名字、アルフィヤが名前です。

両親はウイグル出身で平成11年に帰化した日本人。
私も生まれた時は外国籍でしたが、日本で生まれ、日本に育てられた、日本人です。

日本の法律では、日本で生まれても両親が外国人だと外国籍を所有することとなるため、私は両親が帰化した際に一緒に日本国籍を持つこととなりましたが、帰化する前に父親が、「これから家族で日本人になるけど、どう思う?」と聞いてくれた時、「私はずっと日本人だったよ」と答えたそうです。
心ではそう思っていたとしても、日本のパスポートを初めて手にした日の感動は、今でも鮮明に覚えています。

ウイグル人とウズベク人の両親を持ち、子供ながらに言葉や文化も全く違う中国のパスポートを持つことに違和感を持っていた私にとって、自分のアイデンティティーと、社会から与えられるアイデンティティーが、初めて一致した日でした。

自分が認識しているかたちの自分の存在が、初めて認められたと思えた日でした。
子どもの頃から特に違和感を持っていたのが、自分のアイデンティティーの代名詞のような、名前です。

私は生まれた時に、ウイグル語でArfiye(アルフィヤ)と名付けられました。近代ウイグル語は、公式にはアラビア文字で表記されます。
これに加え、最近では、SNS、メール、インターネットなど、デジタルな世界では、ローマ字表記が使われることも増えています。
但し、ウイグル自治区で生まれたウイグル人(そして、私のようにその外で生まれても生まれた国の法律によりその国の国籍とならない場合)は、中国籍となるため、中国語(漢字)で名前を登録しなければなりません。

このため、ウイグル人の名前は漢字表記となり、トルコ語、ウズベク語と同じチュルク語系のウイグル語とは全く違う言語グループである中国語の表記では、本来の名前からかなりかけ離れたものとなってしまいます。

例えば、よくある名前では、Muhammad/Memet(ムハンマド<略してメメット>)は 
⇒买买提(マイマイティ)、

有名なウイグル系女優のDilraba Dilmurat(ディリラバ・ディルムラット)さんは
⇒迪丽热巴・迪力木拉提(ディリリーバー・ディリムラティ)、

北京冬季オリンピックの開会式で最後に聖火を灯し話題になったウイグル系選
手Dilnigar Ilhamjan(ディルニガル・イルハムジャン)さんは、
⇒迪妮格尔·衣拉木江(ジニゲル・イラムジャン)だと報道されていました。

そして、私、Arfiye(アルフィヤ)は、
⇒阿丽菲亚(アリフェヤー)
となりました。

生まれた時に「阿丽菲亚」と漢字で登録されたため、日本に帰化した時も、そのまま戸籍の名前はカタカナで「アリフェヤー」となりました。 
その後、日本のメーカー企業に勤めていた父親の転勤に伴い、上海・広州での生活が始まりますが、北九州で育ち、母国語の日本語と少しのウイグル語しかできなかった私にとって、中国は完全に外国。

アメリカンスクールに通い、英語を習得するため、勉強を重ねる日々でした。
学校では、「アリフェヤー」をローマ字表記した「Arifueya」を名前とすることになりますが、もはや自分の名前ではない!

アメリカ人だった担任の先生に、拙い英語で本当は「アルフィヤ」なんだと打ち明けると、すぐに学校で使う際には「Arfiya」としてくれました。

「自分の名前なんだから、しっかりと主張していいんだよ」と教えてくれた先生。
本来の名前やアイデンティティーを消す必要は全くなく、自分には自分の呼ばれ方やアイデンティティーを選ぶ権利があるということを、初めて知った瞬間でした。

以後、パスポートは「アリフェヤー(Arifueya)」、学校や職場では個人的には「アルフィヤ(Arfiya)」を使っています。

ウイグルの様に、民族・領土の主権を失くすということは、ひとりひとりの名前さえも正しく表記してもらえない、自分が認識している存在として、尊厳のあるスペースをも与えられないということです。

言葉を変えれば、人間としての尊厳が奪われるということであり、今のウイグルの状況を見ると、その延長線として、言葉にできないほどの悲惨な弾圧と人権侵害が起こっていることが明確です。

だからこそ私は、日本に生まれ、自分を「アルフィヤ」と名乗る尊厳を与えられた日本人として、何よりも先に我が国日本の主権と領土・領空・領海を守り抜くことが大切だと考えています。
次は、名字のお話を少しさせていただきたいと思います。





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